「バースプラン」という言葉をご存知ですか。「私はこんなお産をしてみたいなぁ」「こんな育児をしてみたいなぁ」など妊婦様が日頃漠然と考えておられるご希望に、最大限配慮した医療サービスをご提供するための計画づくりのことです。

今年の3月3日より開始した当院のバースプランに200名の妊婦様方より回答をいただきありがとうございました。
しかも待合時間中という落ち着かない時間にも拘らず、真剣にご回答いただき感謝しております。
今回その結果がまとまりましたので、その詳細についてお知らせ致します。

回答者200名の内訳は、初産婦さん114名(57%)、2回目の経産婦さん62名(31%)、3回目以降の経産婦さん24名(12%)の構成でした。
質問内容は以下のとおりです。

産前のこと
陣痛中にしたいこと
立会いについて
陣痛促進剤について
会陰切開について
赤ちゃんが生まれたら
その他
産後のこと
入院中の生活について
母子同室について
授乳について
お食事について
アロマトリートメントについて
その他



各々の回答率を見ると、図Aに示すように産前のことの中では「立会いについて」の意見が初産、2回目、3回目以降いずれのグループでも最も多く、次いで「陣痛促進剤について」「会陰切開について」が2位と3位を占めております。






図Bに示すように産後のことの中では、「母子同室について」の意見が初産、2回目、3回目以降いずれのグループでも最も多く、次いで「授乳について」「アロマトリートメントについて」が2位、3位と多くの意見を占めました。






これより各質問について各々検討を加えました。

図1に「陣痛中にしたいこと」を示しました。
この中では「特になし」が最も多く、次いで「リラックス」「音楽」が続きました。「音楽」については、次回の改築工事において音響装置を設置する予定です。
次いで「わからない」が多く見られましたが、回答者が全員初産婦さんであったことは、より丁寧な事前説明が必要であったと反省しております。
その他「家族といたい」「無痛・和痛希望」という意見が多く、今後の課題として取り組むつもりです。






図2に「立会いについて」を示しました。
立会いを望むという回答が全てのグループの妊婦さんの中で最も多く、その大部分がご主人の立会い希望でした。
次いで実母の立会いを望む意見が見られました。
その他「写真・ビデオを持ち込みたい」「臍の緒切りたい」という意見もありました。




図3に「陣痛促進剤について」を示しました。
初産より2回目、3回目以降と分娩回数が増えるほど陣痛促進剤を肯定する割合が増加しました。
初産・経産とも「ドクターにお任せ」「病院にお任せ」が最も多く見られ、次いで「出産時楽ならOK」「わからない」という意見が見られました。
事前の予想に反して、「絶対イヤ」という強い否定の意見は一例もありませんでした。






図4に「会陰切開について」を示しました。
「陣痛促進剤について」と同様、分娩回数の増加と共に肯定派が増加し、3人目以降においては「したくない」が一例も見られませんでした。
初産・経産とも前の質問と同様、「ドクターにお任せ」「病院にお任せ」が最も多く、「こわい」という意見がある一方、「前回裂傷だったので切ってほしい」という意見も見られました。
その他、「事前説明を充分に」「出産が楽ならOK」という意見もありました。






図5に「赤ちゃんが生まれたら」を示しました。
初産・2回目・3回目以降を問わず、「すぐだっこしたい」が圧倒的多数を占め、次いで「カンガルーケア」「すぐ顔を見たい」「写真(ビデオ)撮りたい」の順でした。
又、「そばにいたい」や、「初乳を飲ませたい」という意見が見られました。
その他、「主人に抱かせたい」「臍の緒切りたい」という意見もありました。






図6に「その他」を示しました。
質問が漠然としていた為か、初産・2回目・3回目以降の全てで回答率が低い項目でした。
その中でも、「特になし」が最も多く、次いで、「写真(ビデオ)撮りたい」が続きました。
尚、「写真(ビデオ)撮りたい」と回答された方は全員初産婦さんでした。
次いで、初産、経産を問わず、「病院の指示に従う」という意見が多く見られました。
その他初産では、「個室希望」「事前説明」という意見が、前回当院入院経験者では、「前回入院時よかった」という好意的な意見もいただいております。






図7に「入院中の生活について」を示しました。
初産・2回目・3回目以降とも「ゆっくりしたい」が最も多く、経産婦さんでは「家族と泊まりたい」、初産婦さんでは「何でも教えてほしい」という意見が見られました。
又、前回当院での分娩経験者では、「前回お世話になった」という好意的な意見や、初産婦さんでは「個室希望」「子育て教室」という当院への要望がありました。






図8に「母子同室について」を示しました。
初産・2回目・3回目以降ともに、圧倒的に「母子同室」が多数を占めました。
分娩回数が多いほど「お母さんが疲れない程度に」、あるいは「疲れている時は預かってほしい」などの希望が増加しました。
その他、「夜間のみ別室希望」「体調第一」という意見もありました。






図9に「授乳について」を示しました。
上の質問と同様、初産・2回目・3回目以降いずれにおいても母乳希望が90%以上と圧倒的多数を占めました。
特に初産婦さんにおいては「お乳が出るか不安」が、経産婦さんでは「前回マッサージがよかった」という意見が多く見られました。
その他、「ステロイド剤服用中なのでドクターと相談したい」という真剣な意見もありました。






図10に「食事について」を示しました。
「特になし」が最も多く、「クチコミでおいしいと評判なので楽しみ」「前回入院時おいしかった」という好意的な意見が次いで多く、「ダイエット」「カロリーバランス」の順でした。
その他、「何でも食べたい」「夜食がほしい」「食前にメニューが知りたい」という要望も見られました。
特に、前回当院での分娩経験者においては食事に対する評価が非常に高く、「前回同様おいしいものをヨロシク」「レシピがほしい」などの他に、「山元病院食事サイコー!」という有難い意見もいただいております。






図11「アロママッサージについて」を示しました。
初産・2回目・3回目以降を問わず、「受けたい」が90%以上と圧倒的な支持を受けました。
中でも経産婦さんにおいては前回の経験がある為か、強く希望されるケースが多く、中には「入院中のアロマの回数を増やしてほしい」「退院後も受けたい」など予想以上に希望者が多かったのには驚きました。
最後に、「受けたくない」という人の3人中の2人は「皮膚が弱いから」という自らの体質的な理由からでした。






図12に「その他」を示しました。
産前の「その他」と同様、質問が漠然としていた為か、初産・2回目・3回目以降の全てで回答率が最も低い項目でした。
初産・2回目・3回目以降を問わず「特になし」が最も多く見られました。
経産婦さんでは「前回よかったので今回もヨロシク」、初産婦さんでは「色々教えてほしい」という意見が多く、次いで、「シャワー毎日」「家族同泊」という要望の順でした。
その他「赤ちゃんひとりだけ見るだけなんて楽勝」という頼もしい意見もありました(ちなみにこの方は4回経産の方です)。






全体的に見ると、「産前のこと」の質問の中では、他の病・医院のバースプランの回答でよく記載されている
「立会いについて」の項目では、「上の子の立会いを望む」「家族全員での立会いを望む」
「陣痛促進剤について」の項目では、「使用は絶対イヤ」
「会陰切開について」の項目では、「絶対切りたくない」「主人に切らせたい」
「赤ちゃんが生まれたら」の項目では、「臍の緒を兄弟に切らせたい」
などの無理な回答は、今回当院が行ったバースプランのいずれの質問においても全く認められませんでした。

又、「その他」の項目の中では、「水中分娩」「坐位分娩」「畳の上での分娩」など、分娩様式に関する特殊な要望も当院での回答では見当たりませんでした。

次に、「産後のこと」の質問について見てみると、
「入院中の生活」「その他」の項目では「子育て支援」「何でも教えてほしい」という希望が初産婦さんに多く見られました。
このことは従来当院で行ってきた産後育児ケアが不充分であることを示しており、直ちに改善していきたいと思います。

「食事について」の項目では「夜食がほしい」「食前にメニューが知りたい」という要望がありました。
夜食については本年6月より既に実施しており、メニューについては現在検討中です。

「アロマトリートメントについて」の項目では、「回数を増やしてほしい」「退院後も受けたい」という要望が見られました。
これらの要望については現在アロマテラピストと交渉中ですので、しばらくの猶予をいただきたいと思います。

最後に、今回いただいた意見を集約すると、当院受診中の妊婦様方が極めて常識的な考え方をお持ちで、しかもどこで情報を入手されているのか、当院でできること・できないことを非常によくご存知であると感心いたしました。

今後は今回いただいた貴重なご意見、特に当院では充分できていなかった項目については早急に改善し、できるだけ皆様方のご希望に添えるようスタッフ一同努力してまいります。





産科・婦人科・小児科 山元病院 〒604-8353 京都市中京区岩上通蛸薬師下る宮本町795
TEL 075-801-3281 E-mail yamamoto@yamamoto-hospital.gr.jp


禁無断転載 Copyright © Yamamoto Women's Hospital. All rights reserved.